創業明治十年 東海製蝋
社員語録
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2021年02月24日の日記
変わらなければ始まらない
我が家の年末の恒例行事の一つに、横浜のご先祖様のお墓参りがあります。一昨年も、このお墓参りについて書きましたが、昨年末の休日に、父、五年生の息子と三人で行ってきました。関東学院大学に向かう坂の途中にあるお寺は、横浜の下町の人々に長く親しまれ、行けば必ず近所の幼い子供たちが賑やかに境内で遊ぶ姿を目にしますが、今年は新型コロナウィルス感染症の影響かその姿もなく、少し寂しい印象を受けます。
長い階段を上り、坂の上に建つご先祖様のお墓に着くと、落ち葉をゴミ袋いっぱいに掃除し、墓石を磨き、仏花をお供えします。息子も慣れた様子で、父が掃いた落ち葉を、一生懸命に集め、袋に詰めていきます。灯篭の中にしまっておいた「お明り」に火を付け、お線香の煙に包まれながら三人でご先祖様に手を合わせます。一昨年来た時には、ゴニョゴニョつぶやきながら長い間合掌する息子が、実は新しいゲームソフトをご先祖様にお願いしていたことを知り、大笑いしてしまいましたが、今回は何やら真剣に祈りをささげていた様子。小さな子供たちも、異なる日常に心を痛めているのかも知れません。
清々しい気持ちになり、今年も無事に年が越せると、例年であれば、たくさんの人でごった返す元町を散策し喜久屋のアーモンドタルトを食べ、南京町をぶらぶらした後、関内の天吉でいつもの玉成丼(かきあげ丼)としじみ汁を頼み、勤続四十年という女店員さんに、父がまだ幼かった頃、祖父にこの店に何度も連れてこられた話をするのを聞き、息子が口いっぱいにほおばる姿を微笑ましく眺めるのが常であるのですが、今年はどこにも寄り道せずに、富士宮まで帰ってきました。安くて美味しいかき揚げ丼が食べられなかったことはとてもつまらなかったのですが、新型コロナウィルス感染症が引き起こした様々な変化から、とてもたくさんのことを学んだ一年でした。
人間は元来が弱く怠け者ですから、緩やかな変化の先にある厳しい現実から目を背け、自ら変化することを拒んでしまいます。ほとんどの人は、お尻に火が着いて初めて変化することの必要性に気づきます。しかし、今回のような急激で大きな変化に巻き込まれると、否応なしに自身が変化しなければ、外部環境から取り残されてしまいます。特に会社の場合には、より迅速な環境適応が求められます。「これまでの業界の常識がこうだから」「うちの業種にはこれまで必要なかった」そのような固定観念や既成概念の鋼の鎧を身にまとい続け、変化や革新を恐れていては、今後、生き残ることは非常に難しいのではないでしょうか。
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。おごれるも人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。たけき者も遂にはほろびぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。」いつの時代にも、私たちを取り巻く環境は変化し続け、同じ状態にとどまるということはありません。新型コロナウィルスが巻き起こしたこの大きな変化さえも人類の長い歴史の中で起こる数えきれない変化の一つにすぎず、その中で生きる私たちは、新しい環境に適応しながら、生活や会社の経営を淡々と行うだけです。
「変わらなければ始まらない」。新型コロナウィルスのおかげで、私も社員も会社もようやく変化することができるのではないかと心の底から期待しています。今年の年末には、ご先祖様に良い報告ができ、晴れ晴れしい気持ちで玉成丼を美味しくいただきたいと思っています。
2021年02月24日(水)
No.244
(船長)
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