創業明治十年 東海製蝋
社員語録
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2019年01月25日の日記
六代目のお願い
日曜日の午後、白尾山公園につづく急な坂道を小三の息子とのぼる。リズム感に欠く、軽妙とは言えないスキップをしながら、息子は私の周りをくるくる回りながら、のぼる。舗装路が終わり、いよいよ踊り場の広い階段に差しかかり、私たちは「グリコのおまけ」「チヨコレイト」をしながらその階段をのぼる。いつもグーしか出さない息子は、なぜかそれに気づいていないため、彼との距離を図りながら、最後には必ず息子の大逆転となるようにパーとチョキを出す。中二になる長女がそうだったように、こんなにあどけない息子も、ある日、突然、少年になる。階段の上で、両手を振って私を呼ぶ息子に応えながら、いつまでもこの日のことを覚えていようと思う。
両親と同居を始め、もうじき二年になる。妻の協力もあって、ようやく落ち着いた生活ができるようになった。最初は妻に促され、当校前に上階の祖父母におはようのあいさつに行っていた息子は、時間を見つけては祖父母と過ごす様になった。用事で東京に行く祖母に付き添い、新幹線の改札を通る姿は、自分がしっかり祖母を守らなければならないという責任感にあふれている。音楽の教員をしていた祖母の気持ちに応えようと、きつく叱られても、涙を流しながら必死にピアノに向かう。
三学期の始業式の夜、一緒に湯船につかると、一二学期に続き、学級委員に立候補したと言う。今度ばかりは当選するのだと、学級方針を真剣に語る。翌日の夜、再びお風呂の中で、一票の差で落選し、もう二度と立候補はしないと涙した。良い経験をしているなと思う。
前後するが、年の瀬、少し離れた港町にあるお墓に、家族でお参りをするのが恒例。掃除を終え、灯明と線香を供え、手を合わせる。一年を健康で、無事過ごせたことを感謝し、近況をご報告する。息子、六代目も大きくなりました。正しい道を生きられるように見守りくださいとお願いをする。ふと隣を見ると、一心不乱に手を合わせ、口元でごにょごにょ言っている六代目。ピンときて、何をお願いしたのと尋ねると、任天堂のカセットを二つとのこと。みんなで大笑い。まだまだ子供です。晴れ晴れとした気持ちで、駅前にある老舗の天ぷら屋でぎょくせい丼と呼ばれるかき揚げ丼をいただき、ようやく年が越せる。私の父が、その祖父に連れられて来たお店。辞書を引くと、玉成(ぎょくせい)は、玉のように立派に磨き上げる、立派な人物に育てることとあった。
息子が生まれた時に、彼の曾祖母がお包みの赤ちゃんを見て、「この子が六代目だね」と目を細めたことが忘れられない。長い歴史の中、お客さまに支えられ、社員のみんなと何とか事業をつなげることができている。これからも大きな変化への上手な適応が求められる。やるべきことをしっかりとやり、社員と一緒に高みに登っていこうと思う。玉成。仕事も息子も、しっかりと磨き上げられるように精進したい。
2019年01月25日(金)
No.220
(船長)
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