創業明治十年 東海製蝋
社員語録
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2014年01月14日の日記
脱 皮
息子が幼稚園に通うようになり、もう四年になります。初登園は一才になる前でしたから、妻もさぞかし後ろ髪をひかれる思いで預けてきたことだろうと思います。仕事を終え、お迎えに行くと、同じく0才の同級生と一緒に先生に抱かれ、ピーピーと泣いていたことを思い出します。先生たちには本当に頭が下がります。
つい最近までは、鼻水を垂らしていない彼を見たことがありませんでしたが、様々なウィルスやバイキンに鍛えられ、今では風邪すらひきません。幼稚園に着くと、お目当ての女の子をめがけてまっしぐら。すぐにお手手をつなぐ、その積極性には驚かされます。ゆーはちゃん、まいちゃん、りんちゃん。毎日、未来のお嫁さん選びに余念がありません。
長女と違い、乳児期にたっぷりと甘えることのできなかったせいか、家では妻に張り付いて離れません。子供はみんな似たようなものでしょうが、眠る時にはお気に入りのタオルと欠かすことの出来ない儀式があります。添い寝をすると、「こうすると安心するのだ」と、彼は私にそのセレモニーをそっと教えてくれるのです。タオルの四隅の折り返し部分を入念に噛み、人差指と中指で鼻の下に持って行き、その臭いを嗅ぎながら眠りにつくのだと。
早く帰った夜、機関車がプリントされた小さなタオルの両端を共有し、眠りに落ちる彼を見ることは、私にとって密かで無上な楽しみでありました。しかしながら、その至極の時も、ついに終わりを迎えることとなりました。年始のある日、新幹線を待つホームで、二歳か三歳のかわいらしい女の子が、外国人のお父さんに抱っこされ、その手には小さなタオルが握られていたのです。混雑と寝不足から、妻の腕の中で悪態の限りを尽くした彼が、小さな天使にニコッと微笑みかけられたその瞬間、彼は、しゃぶっていた指をサッと口から外し、握り締めていたタオルを母の脇の下にそっと押しやったのです。私も妻も、そして長女も、顔を見合わせ、笑いを精一杯にこらえました。
子供たちは、毎日、毎日、脱皮を繰り返します。固定観念、既成概念、そして自らの限界に囚われることなく挑戦を続け、可能性を広げ、成長して行きます。東海製蝋には、「CLIMBING?」のぼってますか?という社是があります。全ての社員に平等なのは、人生は一度きりであるということ。仕事を通じ、それぞれの人生を充実させていく。そのためには、二度と来ない今日一日を、高みを目指して、明るく、真摯に、精一杯生きていく。それは、まるで子供のように、新たなチャレンジにわくわくと心を躍らせ続けるということでしょう。
微差の積み重ねで大差を目指す。毎日、社員みんなが「のぼってますか?」と問い続け、小さな挑戦を繰り返す。気付いた時には、私たちはとてつもない高みにある。そんな一年を今年は生きたいと、息子の覚悟に満ちた眼差しに、気持ちを新たにしました。
2014年01月14日(火)
No.160
(船長)
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