創業明治十年 東海製蝋
社員語録
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2004年04月01日の日記
富 士 山
2月のある日、その手紙は突然届きました。黄色い封筒、裏を見ると差出人は宮城県仙台市、そして見覚えのない男性の名前、、、。
封を開けるまで全く心当たりのない便りだったのですが、便箋と一緒に入っていた一枚の写真を見た瞬間、あの時の事が頭の中に蘇りました。
その写真は、去年の7月21日富士山の頂上で偶然出会った方に写していただいたものでした。
撮ってくださったのは、仙台から初めての富士登山に来たという男性で、奥様と二人で「はるばる新幹線でここまでやってきました」とのことでした。
ご主人が頂上の鳥居の前に立っている奥様の写真を撮ろうとしていたところへ、「ご一緒の写真を撮りましょうか?」と私達が声を掛けたことから、そのご夫婦とお弁当を一緒に食べることになっったのです。
「あなた方はどちらから?」と聞かれたので、私と友達が「地元です。富士宮なんですよ」と答えましたら、「いい所に住んでいらっしゃいますね。羨ましいです。仙台からは富士山は見えませんからね」と下の雲海を見ながら話をしていました。
そして「あなた方もどうぞ」と一眼レフのカメラで私達の写真を撮ってくださったのでした。その時は、住所や名前を聞かれたのですが、まさか本当に写真を送ってきてくれるとは思いもしませんでしたので、「どうぞお気を付けて」と下山前に声を掛け合ってお別れしたのでした。
あれから半年も経ってから、そのご主人から写真が届いたのですから、嬉しいというより驚いたという方が正しいでしょう。
けれども、中に入っていたお便りを読んで更にびっくりしました。そこには、あの富士登山の後仙台に戻ってすぐに奥様の体の具合が悪くなり、入退院を繰り返していたこと、写真を現像したのもだいぶ経ってからで、私達の所へ送ろう送ろうと思いつつも忙しくて今時分になってしまい申し訳ない、といった内容が綴られていました。
定年になり、これからは奥様と二人で百名山を登り切るのが目標なんですと話されていたのを思い出し、私も知らず知らず涙が溢れてきてしまいました。取り合えず奥様の容体は落ち着いたとのことですが、「どうぞお大事に」というお返事を書いた葉書をポストに入れました。
私は高校の頃から毎年1回は富士山へ登っています。年々一緒に登る友達も少なくなっていきますが、一年間あった出来事を思い出して反省したり、今年はああしようこうしようと目標を考えながら登っています。
きっと今年登山する時は、去年出会ったあのご夫婦の笑顔と、ご主人の手紙に書いてあった「私達二人が乗り切れると思って神様はこの試練を与えでくださったのだと思います」という言葉を思い出すでしょう。
この季節、雪化粧をした富士山も私は好きです。
2004年04月01日(木)
No.49
(クルーK.W)
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富 士 山
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