創業明治十年 東海製蝋
社員語録
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2003年07月13日の日記
友人を訪ねて
私はちょうど友人を訪ねた帰りの機内にいた。日曜日の羽田行き最終便はそれほどの混雑もなく乗客はみなそれぞれ思い思いに快適な旅を楽しんでいる様だった。窓際の席に座り外を眺めてみると、辺りはもうだいぶ薄暗かったが、眼下に広がる厚い雲と上空のうっすらとした雲にはさまれ帯のようになったオレンジ色の夕焼けが遠くで光っていた。楽しみにしていた下界の町並みを望むことは出来なかったが、その夕焼けに間に合ったことは私を少しばかり幸せな気持ちにさせた。
今回、訪ねた友人はいま九州宮崎にいる。彼女は私の中学・高校の同級生で、学生時代にはよく二人で過ごした。中高一貫六年制の学校に通っていた私達は六年間ずっと一緒で、勉強や部活、家族や昨年のテレビの事、また例にもれず恋愛についてなどくる日もくる日も語り合った。そうそう、よく喧嘩もした。二人で一緒に行動しているから、他の友達からはいつもの私達と変わらないと思われていたのが、実は一ヶ月もの間お互い口をきいていなかったり・・・。と、まあ、何でも話せる親友である。彼女は大学で看護学を学び、そのまま看護の道へ進んだ。今は新婚にもかかわらず、ご主人を千葉に残し、この4月から単身宮崎の看護大学院へ通っている。普通であればあまり考えられない状況なのだが、彼女は周囲を納得させ、どんどん自分の夢へと進んで行く。そんな彼女と私だが高校を卒業してからはそれぞれ別の大学に進み、会うのは年に数回。連絡も不精のせいかお互いほとんど気まぐれ程度にしか取らない。そんなんでわざわざ会うこともなかったのだが、今回私は週末を利用して、あえて宮崎を訪ねることにした。ただ、そこに行ってみたかったから・・・・というだけではなく。
私はアメリカ、ボストンに4年ほど留学していたことがある。ボストンは歴史も深く、文化的にも優れた魅力的な街である。市内近郊には130以上もの大学があり、人口の約半数が学生でアメリカで
の中でも比較的安全で住みやすいところだ。私は高校の夏休みにアメリカでホームステイをしてからずっと「いつかは留学したい」と思いつづけ、この留学は念願叶ってのものだった。アメリカの大学での大学での勉強は毎日山ほどの宿題に追われ、私が経験した日本の大学受験勉強よりもかなりハードだったが、異国の地での生活は何事も新鮮で毎日が充実していて楽しかった。いろんなところで友達もたくさんできたし、何不自由なく学生生活をおくることができた。
しかし、日本から何万キロも離れた地での長い生活となるとやはり日本のことが懐かしく、家族や友達に会いたいと寂しくなったりした。アメリカには日本からの友人は誰もいなかったし、現在ほどインターネットなどの環境も整っていなかったので、日本のことや家族・友人のことを知りたいと思ってもお金がかかったり時間を選ばなくてはいけなかったりとそう気軽には連絡を取ることが出来なかった。そんななかで、とても有難かったのは家族や友人からの手紙や電話だった。近況をつづった友人からの何気ないハガキや、箱いっぱい詰められた日本食の小包にそっと添えられていた家族からの手紙は今でも忘れない。母は長い手紙を書くのが苦手なのか、一筆箋に「体には気をつけて、頑張ってください。無理をしないように。」などと書いてあるだけであった。そんな何でもないような便りでも随分励まされたし、また、家族が元気にやっていることに安心したのだった。なぜか、どんな手紙でも日本いる時にもらったものよりも、ボストンにいた時にもらったものの方が印象深いし記憶にある。JAICAの活動でケニアに2年間行っていた大学時代の友人もこう言っていた。「なんでかさ、ケニアにいた時にもらった手紙って忘れないんだよね・・・」と。私のみならず、皆、自分自身が望んで異国に移りそこで精一杯やっているのであるが、いつも心には日本を懐かしむ気持ちがあり、友人・家族のことを想っているのだと思います。故郷から遠く離れたところで受け取る便りは本当に嬉しかったし、ましてやはるばる訪ねてくれた友人・家族のことは一生忘れないと思った。
ボストンでのこんな経験から私は今回宮崎にいる友人を訪ねたのである。別に彼女は海外にいるわけではないし、今では携帯電話・メールなどで手軽に連絡など取ることができる。けれども、ひとり見知らぬ土地で生活をし、夢を追い続ける彼女にわざわざ会いに行ったのは、特に口にするわけではないが「いつも応援しているよ」と気持ちを伝えたかったからである。私をボストンに訪ねてくれた時のように・・・。
もし、自分の周りに遠くで頑張っている家族や友人がいたらちょっとペンををとってみてはいかがですか?
2003年07月13日(日)
No.40
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